専門医以外は当てにならない

 今思えば、あの時・・・。そんな事ってやっぱりあります。

あの時に、何かしらの対処をしていたら、1型糖尿病を患う事もなかったのだろうか。それとも時期は遅かれど、同じ道を歩んだのか。それは解らないけど。今の私は、たくさんの出来事が重なってここにいます。

病院の先生の事。救われた言葉。何か見えない力が導いていた日の事。泣いた日。笑った日。

そんな徒然を書いております。今後の読者の皆様の健康維持に役立てば幸いです。

数値が指針

よく聞かれるのが、

「どうやってその病気に気が付いたの?」

誰でもそうだけど、予兆があるのであればそれを知っておきたい。そう思いますものね。私も同じで糖尿病の一番怖い部分「合併症」についての初期症状ってやっぱり知っておきたいって思います。それと同じですよね。

 私の場合は、緩徐進行1型糖尿病 なので、少しずつジワジワとやってきました。それも長い年月をかけて。

今では、当たり前のように毎月調べている「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」の数値。この数値が糖尿病の診断の要となるのだけど、正常値は6.5以下です。血液検査で表示されている人も多いけど、表示されていない人も実際の所多いです。

私の場合は前者の方で、毎年1回受ける「健康診断」で、その数値は毎回表示されていました。

それが、ある年に、「要注意マーク」がついたのです。糖代謝の項目で。

その頃、私は「胆石」で消化器内科の定期健診を年2回の頻度で受診していました。そのDr.に相談してみると、

「大丈夫だよ。健康診断って言うのは少し厳しめに診断されるんだよ。我々の認識では6.5だから。それに武田さんは痩せているし、ご家族にも糖尿病の方はいないでしょ?」

先生に、そういわれると、そっか!って安心していました。

その時の私のHbA1cの数値は5.7で、正常値は5.5以下 と2014年の健康診断の結果報告書には記されていました。

 それからは、ずっと要注意マークがついていて

2015年ー5.7 2016年ー5.9 2017年ー6.0 2018年6.1

空腹時の血糖値は毎回80台で問題なかったけど、HbA1cの数値は絶賛右肩上がり。

「先生、これ毎年少しずつ上がるけど、これ大丈夫なの?いつか6.5突破するんじゃない?」

そう聞いたけど、先生は

「いや、前にも言ったけど、そんなに気にすることない。」

そうなのかな?と思いながら、自分でも食事を見直そうと思って、炭水化物(お米)を控えてみたのだけど、私の仕事は施術をする力仕事。お米パワーを減らしたら、どんどん痩せて力が入らなくなってきて。その事を先生に相談すると、

「ダメだよ!ちゃんと食べないと!」

確かに。そりゃそーだ。

今思えば、この頃「血糖値スパイク」に陥っていたと思います。低血糖で手が震えたり、冷や汗、動機ってのもありました。しかし、当時の私は無知だったのでそのままの生活を続けました。この時「内分泌内科」にきちんと相談に行っていれば良かったのかな?と少し思います。

 そんな何も変わらない生活をしていたので、案の定HbA1cの数値は、2019年6月に6.6となり、6.5を突破しました。突破した途端に消化器内科の先生は、「武田さん!ダメだよ!食事の見直しと運動をして!」と言い出し・・・。3か月後にもう一度来てください。その時も数値が悪かったら「内分泌内科」に回すからと。

私にしてみたら、ほらね。なったでしょ。

そんな気持ちでいました。前から言ってたじゃん。

3か月後の9月の再検査では6.4でギリギリ6.5を下回り、先生は、「この調子で下げていきましょう」と言い、3か月後にもう一度来てください。そう言って私を送り出しました。

その3か月後の12月の再検査で一気に跳ね上がり7.5

「今すぐ、内分泌内科に行ってください。」

消化器内科の先生は、慌てて連携するPCを、内分泌内科に繋ぎ、私のファイルを転送。備考欄にコメント入力をしていました。そのファイルには10年分のデータがあったはず。果たして内分泌内科の先生にどこまで伝わるんだろう。そんな思いで見ていたけど・・その不安はやっぱり見事に的中する事になります。

急に慌てる先生を見て。数値だけを追っていた先生を見て。

その時初めて気が付いた事は、「専門の事しか解らないんだ。」って事でした。

マルチタイプの先生もいると思います、よくテレビで紹介されるカリスマドクターとか名医と呼ばれる人の中には、いろいろな知識を頭の中に持っていて判断する人もいるでしょうが、基本的には「消化器内科の先生」は、消化器専門で糖代謝についてや、予防法、対処法、そしてずっと私に出ていた「初期症状」の事は解らない。

だから、数値で判断するしかなく、6.5に拘った。

主治医は選ぶべし

 今の私の主治医は、出会うべくして出会った人です。あの時「見えない力」が作用して私は導かれたと今でも思っているし、ラッキーだったとさえ思っています。セカンドオピニオンで出会った主治医。そもそも身を任せる主治医となる人は少しの違和感もあってはならないと思う。きちんと言葉を聞いてくれて、きちんと説明してくれて。安心させて欲しいし、知識も豊富であって欲しい。と我儘になるほど患者にとっては命綱の人。

 HbA1c7.5になった私は、その数値の高さも知らなければ「糖尿病」の事も解らない状態でした。

きっと、発病したての人って、そんな感じよね。

周りの、糖尿病を患っているおじさん達は「俺は糖尿病だからなぁ~。」と自然に言ってる。薬を飲んで血糖値を下げて。好き勝手に飲み食いもしていた。運動しなくちゃなぁ~ なんて言いながら。

そんな真っ白な人を相手にする「専門医」は、言葉全てが「正解」となる。それに従うしか術がないのだから。

 その日、すぐに「内分泌内科」へ足を運んだ私は、受付で事務員の方に紹介状を提出して診察をお願いしましたが予約はすぐには取れませんでした。事務員の方は

「ん-。〇〇先生なら来週空いていますが・・・。」

と、「〇〇先生なら」と言う不安な言葉。でもその先生しか空いていないのなら仕方なく。私は予約をして戻ってきました。もちろん、この時点での私は、何も知らないままの私です。呑気に7.5かぁ・・・。と言いながら帰って来ました。

さてさて。この後の1週間が「見えない力」に誘導される1週間になりました。何も知らない私が急に「糖尿病患者」へとなっていきます。今思えば、〇〇先生に出会った事で今の主治医に出会えたのかもしれません。

もし、今、HbA1cの数値が健康診断で要注意になっている方は、一度「内分泌内科」へ相談してみる事をおすすめ致します。それかダイレクトに「糖尿病クリニック」がいいと思いますよ。

今回は、ここまで。続きは次回に~。